お中元のマナー

■お中元の基本マナー

お中元は、日頃お世話になっている方へ、感謝の気持ちを伝える夏の贈り物です。

1. 贈る相手と相場

両親、親戚、友人・知人は3,000円程度
上司、特にお世話になった目上の方、取引先は5,000円〜1万円程度 といわれています。

継続性:一度贈ると、翌年以降も継続して贈るのがマナーとされています。毎年、無理のない範囲の金額で選びましょう。

避けるべき相手:
公務員、政治家:贈収賄と見なされる可能性があるため、一般的に控えます。
会社の上司・取引先:会社によっては贈答品のやり取りを禁止している場合があるので、事前に確認しましょう。

2. 贈る時期

お中元の時期は地域によって異なりますが、ほとんどの地域で7月15日を目安としています。
関東地方:7月1日〜7月15日
関西地方:7月15日〜8月15日
その他多くの地域:7月15日を目安 遅れた場合:期間が過ぎてしまった場合は、表書きを変えて贈ります。

立秋(8月7日頃)の前日まで:「暑中御見舞」または「暑中御伺」
立秋以降(8月下旬まで):「残暑御見舞」または「残暑御伺」

3. のし(熨斗)紙のマナー

水引:紅白の「蝶結び」(花結び)を使います。これは何度でも繰り返したいお祝い事に適しています。
表書き(上段):「御中元」または「お中元」
名入れ(下段):贈り主のフルネームを上段の文字よりやや小さめに書きます。
連名の場合は、目上の方を右側から順に書きます(3名までが一般的)。

■品物選びの注意点

品物は、相手の家族構成や好みに合ったものを選ぶのが最善です。
日持ちするものを選ぶ:特に夏場は、賞味期限の短い生菓子や食品は避け、日持ちのするものを選びましょう。
アイスなどを贈る場合は、事前に相手の冷凍庫スペースを確認すると親切です。

●タブーとされる品:

現金・商品券:目上の方への贈答品としては失礼にあたるとされています。
履物(靴、スリッパなど):「踏みつける」という意味合いがあり失礼にあたります。
肌着・下着:「生活に困っている人に施す」という意味合いに取られることがあります。
刃物やハンカチ:「縁を切る」という意味を連想させるため、避けたほうが無難です。

■お中元をいただいた際のマナー

お中元をいただいたら、必ずお礼の気持ちを伝えましょう。
受領の連絡(電話):品物が届いたら、まずは電話で無事に届いたことと感謝の気持ちを伝えます。
お礼状の送付:電話で連絡した場合でも、改めて**書面(お礼状)**を送ると、より丁寧です。
受け取ってから1週間以内を目安に送りましょう。
メールやハガキで済ませず、縦書きの書面で送るのが正式です。

お返しについて:
お中元は、基本的に目下から目上へ贈るものなので、お返しは不要とされています。

お互いに贈り合う関係性や、どうしてもお返しをしたい場合は、時期をずらして「暑中御見舞」や「残暑御見舞」として、いただいた品物と同等か、それより少し低めの金額の品物を贈るのがマナーです。

●相手が喪中の場合のマナー

お中元は「慶事(お祝い事)」ではないため、贈っても問題ありません。
時期:四十九日が過ぎてから贈るのが望ましいです。
のし:紅白の水引は避け、**のしが付いていない白無地の奉書紙(または白短冊)**に「御中元」と書いて贈るのがマナーです。
時期をずらす:気になる場合は、「暑中御見舞」や「残暑御見舞」として贈ることもできます。
お中元は、形式だけでなく、日頃の感謝を伝える気持ちが最も大切です。